今回は、 USCPA or 簿記1級 どちらを取得した方が有益かについてシェアしますね。
こんにちは、ゆう(@ProgYuki)です。
「簿記2級まで取ったが、次にUSCPAと簿記1級どちらを取るべきですか?」
「USCPAと簿記1級どちらの方が価値がありますか(転職で有利ですか)?」
「USCPAと簿記1級どちらの方が難しいですか?」
という質問をいくつかいただいたので、以前下記のようなツイートをしました。
複数回転職活動してますが、簿記1級ってあまり評価されない印象です
・経理は資格より実務経験を優先しますし
・監査法人はCPAじゃないと入り口に立てないし
・会計以外の業界だと価値がわからなかったり、オーバースペックだったりするからです
— ゆう@U.S.CPA (@ProgYuki) September 3, 2020
↓一連のツイート
そういえば、USCPA vs 簿記1級、どっちを取るか問題あると思いますが、私は簿記1級を先に取ってからUSCPA取りましたが、正直USCPAを先に取った方がいいと思いました
複数回転職活動してますが、簿記1級ってあまり評価されない印象です
・経理は資格より実務経験を優先しますし
・監査法人はCPAじゃないと入り口に立てないし
・会計以外の業界だと価値がわからなかったり、オーバースペックだったりするからです
一方で、USCPAだけで監査法人に入ると会計面で苦労する方も多いようですが、簿記1級まで取ってたおかげでそこまで苦労してないので、そういう点では良かったかもです
そしたら、結構反応がありましたので、今回は USCPA vs 簿記1級 を深掘りしてみようと思います。
ちなみに私は、公認会計士を目指していたときに簿記1級を3度目の受験で合格し、公認会計士は一発合格できず一度挫折しましたが、その後USCPAに合格したので両方持っています。
それぞれの期間で合わせて3回転職活動をしていて、各資格の評価等も身を以て感じているので、参考になる部分もあるかと思います。
USCPA vs 簿記1級 どっちを取るべき?
先に結論から述べますと、
監査法人や外資コンサル等、転職でキャリアUPを目指すならUSCPA
経理でキャリアを積むなら簿記2級で転職し、実務経験を積みつつ簿記1級
という感じだと思います。
別の言い方をすると、
- USCPAは、転職で有利になる資格
- 簿記1級は、実務力UPの過程で取る or 公認会計士を目指す中で副産物的に取る資格
という感じです。
それでは、深掘って行きます。
簿記1級は転職活動ではあまり評価されない
冒頭でも書きましたが、簿記1級という資格は、難易度はかなり高いですが、転職活動では大して評価されない印象があります。
理由としては、
- 経理は、資格よりは実務経験を優先する
- 監査法人は、CPA資格じゃないと会計プロ職としては入り口に立てない
- 会計以外の業界業種では、価値がわからなかったり、オーバースペックだったりする
です。
経理は実務優先
経理職で簿記1級を持っていると、できる人という印象ですが、それは実務経験が豊富にあった上で資格があるから評価されるのであって、資格だけあっても会計未経験だと結構評価が分かれる印象です。
会計未経験の場合、簿記1級の資格自体というよりは、そこまで努力できることの証明として評価されるか、もしくは、逆に扱いにくそうと嫌煙される可能性もあります。
簿記1級持ち会計未経験よりは、簿記2級持ち経理経験3年の方が経理の転職では評価されると思います。
会社の規模にもよりますが、正直、簿記1級で扱う論点を各経理担当者が全て知っている必要性もないので、オーバースペック感はあります。
経理職で簿記1級が要件になっていることはまずないですし、会計未経験で経理職を目指すのであれば、簿記2級合格した時点で転職して実務経験を積むのが良いと思います。
すでに経理で働いている方であれば、その後のキャリアの方向性によって異なると思います。
監査法人や外資に転職したい→USCPA
中小企業経理から大企業経理に転職したい→簿記1級
将来的に日本の公認会計士を目指している→簿記1級
という感じになります。
ざっくりと言うと、転職に汎用的に有利になる可能性が高いのは、USCPAです。
一方で、経理畑で一生生き抜く! Or 公認会計士を取る!のであれば、簿記1級だと思います。
監査法人は、CPA資格じゃないと会計プロ職としては入り口に立てない
監査法人に入るルートはいくつかあります。
例えば、
- CPA資格を取って、会計プロ職として転職
- 無資格トレーニーとして転職 or 新卒採用もあり
- 会計以外の専門職として転職(エンジニアや人事等)
- アシスタントとして転職 or 派遣
というルートです。
*CPA資格を持っていない場合を無資格と表現しています。
もちろん、監査法人は会計士が多く働いていますが、それ以外の職種の方もいます。
エンジニア職は、どんどんニーズも高まっていると思います。
ただ、ここでは、USCPAと簿記1級を比較しているので、会計プロ職ということで言うと、簿記1級持っていて狙うとしたら、②の無資格トレーニーとして転職、くらいだと思います。
①の会計プロ職は、何かしらのCPA資格が要件になっているので、CPAがないと基本無理です。
ちなみに②のトレーニーというのは、CPA資格はないけれど、資格勉強しながら監査アシスタント等をして実務経験を積み、合格したら、会計プロ職に移動するようなコースです。なので、給与はそこまで高くないと思いますが、基本残業なしで、定時後は資格勉強に集中させてくれる環境です。
Big4でもいくつかの法人は、トレーニー制度で採用しているので、無資格だけど監査法人で仕事したい方にはおすすめです。
私が勤めている法人では、優秀な新卒の方を採用して、仕事しながらUSCPAを目指してもらうような採用の仕方をしている部署もあります。
ということで、監査法人に会計プロ職として転職したいのであれば、簿記1級ではなく、USCPAということになります。
会計以外の業界業種では、簿記1級はオーバースペック
簿記1級は、簿記2級の4〜5倍は難しい(ただの私の感覚です)と思いますが、会計業界業種以外で普通に仕事する上で、簿記1級レベルの知識が必要となることはほぼないと思います。
経理職だったとしても大企業でもない限り、簿記2級くらいの知識で実務をする上では十分な気がします。
簿記1級取得する方は、基本的に会計領域で仕事をしている方/したい方だとは思いますが、それ以外の領域では特に特別な評価はされないです。
私は、公認会計士に挫折した後、3年くらいはマーケティングの仕事をしていたのですが、転職活動の面接では簿記1級に関してはほぼスルーでした。
中には、簿記1級の難易度を知っていて、評価してくれる方もいましたが、資格自体というよりは、努力できる、勤勉さ、というところを評価してもらった感じです。
ということで、簿記1級も難易度は高く、それなりに時間も労力もかかるので、会計系の業界業種で仕事するのでなければ、実利としてはあまりメリットはないかと思います。
USCPA vs 簿記1級 難易度の違い
USCPAと簿記1級の難易度や取りやすさの違いについても聞かれることがあるのですが、正直これはケースバイケースなので、少し答えにくいです。
よくUSCPAは、簿記1級の1.5倍くらいの勉強量とか難易度とかって言われたりします。
ただ、私の感覚で言えば、商業簿記・会計学(USCPAでいうところのFAR)は、簿記1級の方が断然難しいと思います。
USCPAは、計算科目は、日本公認会計士や簿記1級と比べてとても簡単です。試験中に電卓もろくに使えないので、そのレベルの問題しか基本は出ないです。
*USCPA試験は、Exam画面上の電卓を利用するか、試験会場で依頼して簡易な電卓を借りて利用することができます。
一方で、USCPAは、
- 全て英語で行われる試験
- 試験範囲が広い(会計以外に監査論、税法、IT等も含む)
- 受験費が高スギ
- 受験上の手続きが煩雑で面倒
等により、実際の試験レベル以外のところで難易度やハードルが高いので、
試験問題自体が難しいというよりは、なんかいろいろと大変、、、
という試験です。
以前、USCPAと公認会計士の難易度の比較の記事でも書きましたが、英語が得意な人にとってはUSCPAはグッと難易度が低くなります。
ただ、試験問題で出てくる英語は、問題文自体がある程度パターンが決まっているので、慣れてしまえばそこまで読解が難しいものではないです。
重要なのは、読むスピードなので、たくさん練習問題を回して慣れれば対応できると思います。
ということで、あくまで私の感覚値ですが、
USCPAは簿記1級に比べて1.5〜2倍ほど大変だが、計算科目の難易度は簿記1級の方が高い
という回答にしたいと思います。
まとめ
今回は、USCPA vs 簿記1級ということで比較してきました。
まとめると、
- 監査法人や外資転職ならUSCPA一択 → 簿記1級は転職では特別評価されない
- 会計未経験、経理転職なら簿記2級取得後すぐに転職&実務経験積む → 経理は実務経験の方が重要
- 経理畑一筋 Or 公認会計士狙うなら簿記1級
という感じになります。
私は、先にも話したように公認会計士を勉強している中で簿記1級を取って、その後数年してからUSCPAを取りましたが、正直、監査法人に行きたいなら最初からUSCPAを勉強しておいた方が多くの時間を節約できたかなと思います。
簿記1級を先に取ってたおかげで、USCPAをすんなり合格することができたり、監査法人転職後も特に会計知識不足で大変な思いはしていないので、そこは良かったですが(USCPAで監査法人転職後、会計知識不足で苦労する方も多いようですので)、
仕事しつつUSCPA合格→監査法人転職→監査法人で仕事しつつ簿記1級
が効率的で美しい流れな気がしてます。
*USCPAの会計知識だけでは、監査法人の実務では明らかに不足していると思います。簿記1級の資格は取らなくてもいいですが、かなり勉強する必要はあります。
ちなみに『USCPAで監査法人に入所した後、公認会計士も取る必要はあるか?』については、法人内の先輩にヒアリングしつつ以前記事にしたので、興味ある方はご参考にされてみてください。
ということで、簿記2級取得後、監査法人への転職を目指すならUSCPAの勉強を頑張りましょう!
USCPAをおすすめする理由については以前の記事でも書いているので参考にされてみてください。
一方で、「まだ簿記2級も勉強してないけど、USCPAに興味あります!」って方は、
USCPAは勉強し始めて、簿記がつまらな過ぎると挫折したり、泥沼化すると思うので、先に簿記2級を勉強してある程度自分の簿記会計に対する適正を確認してからUSCPAチャレンジをおすすめします。
近年、簿記2級が難化しているようなので、簡単に合格できなかったとしても、勉強していてある程度面白いと思えれば大丈夫だと思います。
それでは、本日は以上になります。
お読みいただきありがとうございました。
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ゆう
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