今回は、 USCPA ( 米国公認会計士 ) 試験に出題される TBS や DRS 、 リサーチ 問題の 対策法 についてお伝えします。
こんにちは、ゆう(@ProgYuki)です。
USCPA を学習していると最初は講義を聞いてMC問題を解いたりと、比較的学習していて楽だけど、TBSやDRS、リサーチ問題の対策をし始めると、
「英文が長いし、参照情報がいっぱいあってこんがらがるし、難しすぎじゃね??」
ってなりませんか?
私は、そうなりました。
それで、先日ツイッターでこんなツイートをしました。
USCPA試験のTBS問題対策のコツは
①問題形式に慣れること
②読解力を伸ばすことくらいだと思っていて、MC問題が安定して9割取れるレベルなら知識の問題ではないです
本試験の方が難しい問題出ますが、焦らず取れるところをミスなく確実に取れば合格しますよ
今までやってきた自分を信じましょう
— ゆう@U.S.CPA (@ProgYuki) March 6, 2019
USCPAは、試験後の手応えと実際の結果が結構異なる試験だと思います
TBSやDRSで手応えがないと試験後へこむと思いますが
MC問題で9割くらい取れる完成度であれば、TBS、DRSでも的外れな解答はしないはずなので、部分点で稼いでトータルでは合格できてると思います
まずはMC問題9割目指しましょう!
— ゆう@U.S.CPA (@ProgYuki) March 6, 2019
そしたら、ある程度反応があったので、やはりみなさんTBSやDRS、リサーチ問題の対策に困っているのかなと思いまして、本日はTBS、DRS、リサーチ問題の対策法について深掘っていこうと思います。
私自身、仕事をしながら効率的に学習して10カ月半でUSCPA全科目合格してますので、学習のポイントや工夫などで参考になる部分があるのではないかと思います。
USCPA ( 米国公認会計士 )試験に出題される TBS ・ DRS ・ リサーチ 問題の徹底 対策法
USCPA 試験の DRS 問題とは?
USCPAの受験生であればDRS問題がどういうものか知っている人も多いとは思いますが、TBSやリサーチ問題に比べて比較的新しい問題形式ですので、まずはさらっとご紹介しますね。
DRS(Document Review Simulation)問題は、2016年7月からTBS問題の新しい出題形式として導入された問題でして、
- 請求書
- Eメール
- 会計方針
などの複数の資料を参照(Document Review)して、問題文の記述が正しいかどうかを判断する問題になります。
時間がたっぷりとあれば、各問題自体は決して難しいものではないのですが、複数の資料を参照しながら情報を整理して判断することになるので、慣れてないとかなり時間がかかり、結構厄介な問題形式です。
TBS、DRS、リサーチ問題はそれぞれ出題形式や試験の中で見られているポイントは異なりますが、試験問題の対策として重要なポイントは、共通しています。
ですので、次に試験問題の対策で重要なポイントをご紹介しますね。
TBS 、 DRS 、 リサーチ 問題の 対策法
まず、先に結論を言いますと、TBS 、 DRS 、 リサーチ 問題の対策に必要な学習のポイントは、
- MC問題の完成度を9割以上にすること
- 出題形式に慣れること
- 英文の読解力、処理スピードを伸ばすこと
の3つです。
何も意識せずに問題を解き始めると、最初は問題文のボリュームに圧倒されてやる気にならないと思うので、最初は問題文と解答を一緒に見ながら、どういったプロセスで解答しているのか、その流れを追うように学習することをおすすめします。
USCPAに限らず、ペーパーテストには基本的に解答までの流れ、パターンみたいなものがあるので、まずはそこに慣れる感じですね。
MC問題の完成度を9割以上に高める理由
「なぜMC問題の完成度を高めることがTBSやDRS問題の対策になるのか??」
と思われる人もいるかと思いますが、
基本的に知識面で言うならば、MC問題の完成度が高い時点で、TBSやDRS問題も解けるレベルの知識は十分ついているんですね。
TBSは、Task-Based Simulationsの言葉通り、
実際の実務に知識を応用した形での出題になりますよ!
というだけであって、TBS問題用に新たに追加で知識が必要になるわけではないです。
逆にしっかりとMC問題で知識がついていたら、本試験のTBS問題でかなり難しい問題が出たときに、
「これは、きっと捨て問題だな。焦らず、ある程度解答したら、次へ行こう」
と冷静に対応することもできまるようになります。
※捨て問題の可能性が高くてもある程度解答してから次へ行きましょう。捨て問題を考慮して時間配分をしているわけではないと思うので、どんな問題でも予め決めた時間配分を守って解答するようにしてくださいね。
ということで、繰り返しになりますが、MC問題で9割以上取れる知識が身についているなら、TBSを解くにあたっても知識面では問題ないので、まずはMC問題を通してしっかりと知識を定着させましょう、ということになります。
ただ、MC問題をただ回転させることで問題ごと丸暗記してしまう、みたいな学習だとちょっと応用されるとわからなくなる可能性があるので、そこは注意が必要です。
ある程度は暗記が必要になるのはわかるのですが、私は基本的に丸暗記する学習法は大反対でして、これをやってしまうと忘却とのイタチごっことになり、学習効果が低いと考えてます。
仕事されながら受験している社会人なら尚更、仕事が忙しくなって少し学習の間が空いてしまうと、さっぱり忘れてるみたいな状態になると辛いと思います。
ですので、MC問題を回転させる中で、
- この問題の解答は、なぜこうなのか?
- この論点の趣旨(or 本質)は何なのか?
というのを意識して、理解することが大事です。
どんな論点にも必ず趣旨があります。
例えばですが、税効果会計が難しいと感じる方は多いのではないでしょうか?
私も最初は何がしたいのか分からず苦手でした。
それでも、無理やり「○○の場合は加算調整で、××の場合は減産調整で、」みたいな感じで、わけもわからず暗記してたわけですが、覚えるのは辛いし、すぐに忘れてしまいました。
ただ、趣旨を理解すると覚えるのが圧倒的に楽になりますし、応用されてもついて行けるようになります。
税効果会計の場合は、目的は会計と税務の誤差を修正することですけれども、趣旨としては、
会計は、意思決定有用性(経営者や出資者が意識決定するのに資する情報を提供すること)が重要なテーマなのに対して、税務は、課税の公平性(公平に税金を課すこと)を重要なテーマにしているため、会計で求める当期純利益と税務で求める課税所得に差異が生じるので、その差を調整しましょう
ということなんですね。
例えば、減価償却費の計算では、経営者がどのように資産を使用するかによって、耐用年数や減価の仕方が変わってくるので、会計では経済実態に合うような会計処理を認めていて、経営者が耐用年数や処理方法(定額法、低率法、級数法等)を決めることができるのですが、
税務では耐用年数や処理方法に自由度があると、同じ資産であっても減価償却費の処理や耐用年数が違うために、課税が不公平になってしまう(税率が変化する場合)ので、「○○資産は、××年で、△△の方法によって処理する」のようにカッチリ決めているため、会計と税務の間に差異が生まれるというわけです。
なので、その差を埋めるために加算調整したり、減産調整したりしてるんだとわかれば、覚えやすいし、応用問題でも対応しやすくなります。
例えば話をしようと思ったら、ちょっと長くなってしまって申し訳ないのですが、
丸暗記をするのではなく、趣旨を意識した学習が大事!
ということは伝わったでしょうか。
学習の初期ほど理解に重きを置いて学習し、知識の定着は後半になってからでも大丈夫です。
出題形式に慣れること、読解力と処理スピードを高めること
知識が十分あれば、後は出題形式と解答パターンの流れを抑えるだけです。
最初の方にも言いましたが、USCPAに限らず、ペーパーテストの問題は解答の流れにパターンがあるので、最初は問題と解答をすり合わせながら、そのパターンを理解することに集中します。
解答プロセスのパターンがわかってきたら、後は時間内にそのプロセスを完了できるのかがポイントになるので、必要な情報を正確に素早く読み取り、処理する練習をしていく形になります。
ここは、地道ですがゲーム感覚でひたすら情報を読み取り、一定のプロセスで解答するという練習を積み重ねます。
ちなみに、この練習の中でかなり英文を読むスピードは上がると思いますよ。
TBSやDRS問題は、参照資料がたくさんある問題もあって、情報がごちゃごちゃになりやすいので、アビタス等の予備校を使っている人でしたら、オンラインの練習問題で本試と同じような形式で問題を解けるので、ひたすら練習しましょう。
また、AICPAもサンプル問題を用意していて、本試験とまったく同じ形式の問題をいくつか解くことができるので、こちらも試験前にやっておくと良いとお思います。
AICPAのリンクを下記に貼っておきますので、参考にされてください。
【参考】『CPA Exam Sample Tests and Tutorial Topics – AICPA』
リサーチ問題は、深掘りしすぎない
リサーチ問題は、FAR、AUD、REGで出題可能性がありますが、出題されたとしても各科目1~2問と言われています。
検索機能を利用して正しい条文を見つけ出してくるわけですが、この条文のすべてに目を通していれば、テーマごとにどこらへんにどんな条文が書いてあるのかがわかって、自信を持って解答できると思いますが、正直リサーチ問題にそこまで時間を割くのはコスパがかなり悪いと考えています。
部分点も狙える問題なので、大枠の条文番号だけは当てるくらいの気持ちで、完璧な解答は狙わないでいいと思います。
USCPAの試験の75点以上で合格という基準は、素点の合計ではなく、素点に他の受験者の出来具合等、統計的に調整した上での75点以上になるので、他の受験生も取れるところは確実に正答し、他の受験生が取れないところは、取れなくても大丈夫です。
その点、リサーチ問題は他の受験生も完璧に解答できる対策はしていないと思いますので(あくまでコスパの悪さから私がそう判断してるだけです)、深掘りせずに模試やAICPAのサンプル問題などでさらっと練習するくらいで大丈夫だと考えてます。
少なくても私はそれくらいの対策に留めました。
リサーチ問題の試験対策と言っておいて、あまり深掘りしないという答えで恐縮ですが、現実的に考えるとこのような結論になります。
一方で、リサーチ問題は本試験における
- 問題を解く順番(一番最後に解く)
- 時間配分の厳守
というポイントはかなり重要なので、覚えておくといいと思います。
具体的に言うと、本試験では、テストスレットが5つあるわけですが、そのうちテストスレット3~5の中にはそれぞれ大問が3つあります。
この各スレットの3問の中にリサーチ問題がある可能性があるのですが、まずは各テストスレット毎に大問3つが見れるので、一通り確認し、リサーチ問題があったら、そのテストスレットの中で必ず一番最後に問題を解くようにします。
一番最後にリサーチ問題を解く理由は、リサーチ問題以外の問題に優先的に時間を使うためです。
テストスレット毎の時間配分は、予め考えていると思いますが、次のテストスレットに行かなくてはいけない時間になるまでは粘って検索機能で調べて解答し、時間になったら終わってなくてもある程度適当に解答を埋めて、次のテストスレットに行くという流れが一番コスパのいい対応だと考えてます。
ですので、リサーチ問題に関しては、模試やサンプル問題でさらっと対策をし、重要なのは本試験で出題された場合の対応(解く順番と時間配分)ということになります。
まとめ
ということで、今回はTBSやDRS、リサーチ問題の対策方法についてご紹介しました。
科目ごとに多少は異なりますが、異なるのは知識面であって、出題形式や読解力、処理スピードの重要性といったところは本質的には変わらないので、全科目同じように対策してもらえれば大丈夫だと考えています。
WC問題は、BECのみの出題になるので、今回は触れませんが、また後々記事にしたいと思います。
TBSやDRS、リサーチ問題の対策法をまとめると
・各論点の趣旨を意識して学習し、MC問題の完成度を9割以上にすること
・問題と解答を一緒に見ながら、出題形式と解答パターンに慣れること
・オンライン問題を利用してひたすら解答の練習をし、英文の読解力、処理スピードを伸ばすこと
・リサーチ問題には時間を使い過ぎず、本試験時の解答順番と時間配分に気をつけること
ということになります。
その他にも、USCPA受験生にとって役に立ちそうな記事を書いてますので、興味のある方はこちらの記事も参考にされてみてくださいね。
【参考】『USCPA (米国公認会計士)最短合格のための 勉強 の コツ』
【参考】『USCPA ( 米国公認会計士 ) 勉強 の モチベーション が下がった時の 対処法』
それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
他にもっと詳しく聞きたいこと、質問などがありましたら
コメントかツイッター(@ProgYuki) からご質問くださいね。
ゆう
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