今回は、 中国語初学者が、 HSK3級 に50時間の独学で一発合格した 勉強法 についてシェアしますね。
こんにちは、ゆう(@ProgYuki)です。
中国の経済や技術発展の勢いが止まらない状況の中で、
「英語は大事だけど、将来的に中国語も少しはできた方が仕事や人生の幅が広がりそうだな」
と中国語、そしてHSK試験に興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
世界三大投資家と言われるジム・ロジャーズ氏も著書『危機の時代』の中で、
米国の繁栄はピークに達し、衰退していくだろう。誰かがそれにとって代わる。それは中国になると私は思っている。
中国語を除いて、かつての英国や現在のアメリカのような覇権国になる可能性を持つ国は存在しない。
のように発言していて、私もそこから中国に興味を持って調べる中で、中国語、まずはHSK3級を勉強することにしました。
そこから、2ヶ月半ほどゆっくり、でも効率的に約50時間独学して、下記の通り9割得点で一発合格できたので、
今回は、
- HSK3級の概要(レベル感、問題構成、配点等)
- HSK3級に効率的に合格するための勉強法
- HSK3級に利用した教材(1冊のみ利用)
をシェアしようと思います。
中国語に興味がある方
これからHSK3級に挑戦しようか考えている方
今HSK3級を勉強していて、勉強法に悩んでいる方
にご参考になれば幸いです。
中国語初学者から HSK3級 に50時間の独学で一発合格した 勉強法
HSK3級 の 概要
HSK(漢語水平考試)は、中国の教育部が認定する国際的な中国語の語学検定試験で、1992年に中国国内で正式に国家レベルのテストとして実施され、現在では全世界で875か所以上、118の国と地域で実施されている国際的な中国語資格です。
まずは、HSK3級について概要を知りたい方も多いと思うので、重要な情報をさくっとまとめますね。
HSK3級のレベル感
HSKの公式サイトによると、HSK3級で求められる能力は、
中国語を使って、生活、学習、仕事等における基本的なコミュニケーションができる。中国旅行の時も大多数の場合において中国語で対応することができること。
また、学習目安として、
- 600語程度の常用単語
- 大学の第二外国語における第二年度前期履修程度の学習
が目安です。
これだけを見ると、めちゃ難易度が高く見えますが、実際合格してみたレベル感としては、
- 中国語で基本的なコミュニケーションとか全然無理、、
- 中国語を何となく読めるが、語彙力がまだまだ足りないので十分には理解できない、、
- 周りで聞こえる中国語が単語レベルでは、聞き取れる言葉もあるくらい、、
です。
基本的な単語600語と文法が分かり、しっかり問題集で練習すれば合格できるレベルです。
なので、HSK3級は、中国語初学者にとってはまだファーストステップくらいな印象です。
私は、HSK1、2級は受けてないですが、正直中国語初学者は、HSK3級からで大丈夫だと思います。
HSK3級の試験内容と配点
HSK3級の試験内容と配点は下記の通りです。
リスニング:約35分間(放送回数2回)(配点100点)
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 写真を選択する問題 | 短い会話が放送され、数枚の写真から内容が一致するものを選ぶ。 | 10題 |
第2部分 | 正誤判断の問題 | 短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた短文の内容が一致するかを判断する。 | 10題 |
第3部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10題 |
第4部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人のやや長い会話とその会話の内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10題 |
リーディング:30分(配点100点)
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 関係のある文を組み合わせる問題 | 与えられた短文に対し、関連(対応)する文を選択肢の中から選び、組み合わせる。 | 10題 |
第2部分 | 空所補充問題 | 文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。 | 10題 |
第3部分 | 文の内容に関する問題 | 短文とその内容に関する問いが与えられており、問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10題 |
ライティング:15分(配点100点)
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 語句の並べ替え問題 | 与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。 | 5題 |
第2部分 | 空所補充問題 | 文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く。 | 5題 |
*聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。
リスニング、リーディング、ライティングのそれぞれ100点、合計300点の内、6割の180点以上取れれば、合格になります。
リスニングとリーディングは、マークシート方式で、ライティングのみ記述式です。
ライティングは、記述式とは言っても、
- 問題文に書いてある語句を並び替えて書く
- 空欄に適切な単語を書く
だけなので、結局
- 基本文法
- 基本単語600語
を押さえれば良いだけなので、身構える必要はないです。
HSKの受験料と試験日
HSK3級の受験料は、現時点(2021年1月時点)で、
6,160円
です。
また、試験は毎月開催されているので、随時受けられますが、地域によっては開催されない月もあるので、ご自身でチェックされてみてください。
HSK試験の有用性
HSK試験の有用な点は主に
- 中国の大学、大学院へ進学(HSK必須)
- 中国系企業への就職、転職
の2点になるようです。
ただ、レベル感としては、
- 中国の大学(理系)→HSK4級以上
- 中国の大学(文系)→HSK5級以上
- 履歴書に書けるレベル→HSK5級以上
が一般的ということなので、
HSK3級は、それ自体がすぐに有用というわけではなく、あくまで通過点、勉強の効果測定的な意味合いになるかと思います。
HSK3級 の 勉強法
それでは、HSK3級の勉強法についてですが、先にまとめると下記の3つになります。
- リスニングを制するものが、HSKを制する
- インプット期は短時間、複数回勉強する
- アウトプット期は問題を回転させて知識定着化する
①については、中国語を勉強する上で特殊だと考えている点で、
②、③については、あらゆる勉強をする上で基本的な勉強法です。
それでは、①〜③を具体的に深掘って行きます。
リスニングを制するものが、HSKを制する
私が中国語を勉強をしていて感じたのは、外国語を勉強すると言っても、英語とはまた勉強の仕方が異なるということです。
理由は、
- 日本人にとって、漢字(単語の読み)はすんなりと頭に入りやすい(慣れるまで時間がかからない)
- 中国語には、日本語にはない音がかなり多い(慣れるまで時間がかかる)
からです。
中国語の漢字は、簡体字と繁体字の2つがあり、基本的に試験は簡体字で記載&解答していくことになるので、私たちが普段使っている漢字とは異なります。
ただ、英語の単語を覚えるのとは異なり、私たちは漢字に慣れているので、簡体字であっても結構すんなりと覚えられると思います。
*HSK試験の解答は、繁体字で記載することもできます。ただその場合、全て繁体字で書く必要があって、簡体字と繁体字をごちゃ混ぜにすると減点になるようです。
一方で、中国語は日本語にはない音がかなりあって、
- 日本語は、母音数5個、子音数13個
- 中国語は、母音数6個、子音数21個
です。
プラス中国語には、四声もあります。
日本語にない音ということは、聞いても他の音との違いがわからず同じに聞こえたり、そもそも聞き取れなかったりします。
リスニング対策を先にせずに勉強すると、あとでリスニング問題を解いても全くわからなかった時に
「こんなに勉強してもまったくわからん、無理かも、、」
と、リスニングで躓いて挫折するパターンがほとんどだと思います。
英語勉強でもよくあることですが、リーディングはできるのにリスニングができない場合、その理由はほとんど
言葉は知っているのに、聞いてもその言葉だと認識できていない
というのが問題です。
ということで、中国語は、
リスニングを常に意識して勉強することが重要
です。
具体的な勉強法としては、
- 漢字、ピンイン、意味の3つをセットで覚えるようにする
- 文章を聞いたら、真似して自分で発音しながら音を覚える
ということです。
ピンインというのは、音のふりがなみたいなもので、英語のアルファベットに四声のアクセントを加えたような表記のものです。
テキストや問題集には、漢字の文章の上に必ずピンインの表記があるので、これも一緒に発音しながら覚えていきます。
上記のように3つを同時に覚えていきます。
大事なのでもう一度書きますが、ピンインは文字自体を覚えても仕方ないので、必ず音を聞いて、自分で発音しながら、ピンインの音と一緒に覚えます。
英語にも同じように音の表記もありますが、普段あまり意識して覚えないですよね。
なので、中国語を勉強する時も面倒でついついピンインを意識せずに、簡体字と意味だけを勉強していく方もいると思いますが、結局リスニングを伸ばそうとしたら、ピンインの音を覚えることになります。
その時になってピンインを覚えていくと二度手間で非効率的なので、先に音を意識した勉強をして、中国語の音に対する心理的な壁を克服しておくと、挫折しにくくなり、次のステップへも進みやすくなると思います。
言語の勉強のモチベーションを維持するコツは、その言語のコンテンツを楽しく消費することだと考えてます。
その点でも音を意識してリスニングができるようになれば、音楽やドラマ、映画などを楽しめるようになって、勉強も続くので効果的ですね。
また、自分で発音することの重要性についてですが、基本的に
自分で発音できる音は、聞き取れる
という法則があると考えてます。
中国語の場合、特に四声の違いが難しい(特に2声と3声の違い)と思いますが、何度も聞きながら意識して発音していくと、だんだんと発音の仕方がわかってきて、気づいたら音の違いがわかってきます。
わかってくるというより、慣れて来る感じです。
言葉を見た時に、ピンインを見なくても音で覚えているイメージです。
言語は、スポーツと似ていて、理屈で頭で覚えるというよりも、身体が覚えている(耳や口が覚えている)という感じなので、音を意識しながら、自分で発音し、慣れることが大事だと思います。
ちなみに、能力別(リスニング、リーディング、ライティング)の勉強の重み付けですが、
- リスニング→6割
- リーディング→3割
- ライティング→1割
くらいの重み付けで大丈夫だと思います。
やはり、リスニングの勉強が最重要です。
インプット期は短時間、複数回勉強する
私は、試験勉強をする時は、
- インプット期(うろ覚え&理解に専念)
- アウトプット期(知識定着&試験問題対策)
の2期間に大まかに分けます。
インプット期は、毎日新しいことを覚えるため、脳に負担がかかり、集中力が相対的に続きにくく、
アウトプット期は、自分が持っている知識を吐き出すトレーニングなので、インプットよりは集中力が長続きする
と考えてます。
*あくまで、私の感覚なので皆さんに当てはまるわけではないと思いますが、集中力の持続時間をインプットとアウトプットで分けて、意識して観察してみると、気づくことがあると思います。
なので、インプット期は、一度に何時間も勉強するのではなく、
1回あたり30分〜1時間に勉強時間を抑えて、十分に頭の休憩を取ってからまた再開する
のように勉強時間を区切ると効率的だと思います。
いわゆるポモドーロ勉強法というものだと思いますが、これはインプット期に有効だと考えてます。
長時間ひたすら覚えていると、だんだんボーッとしてきて眠くなりますもんね。
私は、1時間くらい勉強して疲れたり、躊躇なく寝ます。
そして復活したらまた再開という感じです。
アウトプット期は問題を回転させて知識定着化する
アウトプット期は、ひたすら問題集を繰り返し回転して、
- 知識の定着化
- 問題の出題形式に慣れる
ということをしていきます。
知識の定着には、エビングハウスの忘却曲線が有名だと思います。
- 1回目は、問題集を最初から全て解いていき、間違えたところにチェックをつける
- 2回目は、間違えたところのみを解いていき、また間違えたところはチェックをつける
- 3回目は、2回目も間違えたところのみを解いていき、全問正解するまでこれを繰り返す
という感じでやると、復習の効率が上がり、かつエビングハウスの忘却曲線に沿ったような知識定着を効率的にできるので、おすすめです。
アウトプットベースの効率的な勉強方法については、以前別の記事にも詳しく書きましたので、ご参考にされてみてください↓
ちなみに、アウトプットは、1回の勉強時間を結構長くとってもインプットと比べて意外と集中力が続くと思います。
やはり、新しいことをひたすら覚えていくインプット期と、持っている知識を解答として表現していくアウトプットでは、脳の使い方が異なる気がしているので、集中できる時間も違うのだろうと思います。
HSK3級合格に必要な教材は1冊で十分
最後にHSK3級合格に必要な教材についてですが、1冊のみで十分です!
私が利用したのは、下記の中国政府公認にHSK3級公式テキスト1冊のみです。
現時点(2021年1月時点)だと、2016年度のテキストが最新版となってますが、試験形式が変わっておらず、更新されていないので、2016年度版が最新版ということで大丈夫です。
また、音声はCDも付いていますが、HSKのスマホアプリからダウンロードできるようになっているので、スマホをお持ちの方は簡単に使えて勉強しやすいです。
HSK3級のテキストではなく、問題集のみを購入して勉強する方もいると思いますが、私の場合、中国語初学者だったので、文法なども丁寧に説明されているテキストを利用しました。
ちなみに公式テキストにも各章末の問題、実戦問題3回、模擬試験1回分が含まれているので、これを2〜3回転すればアウトプット期も十分だと思います。
私は、上記テキスト1冊しか使いませんでしたが、より得点力に自信を持てるようにしたい方は、HSK3級の過去問題集を利用しても良いかとは思います。
一方で、単語帳については、基本的に不要だと判断しました。
理由は、
- HSK公式テキストの各章にも必要単語が列挙されている
- 600語程度しかない
からです。
ただ、HSK3級合格後、HSK4級を勉強することを見越して、HSK1級〜4級の単語(1200語)がレベル毎に記載されている下記の単語帳なら持っておいても良いとは思いました。
まとめ
ということで、今回は、中国語初学者がHSK3級に合格するための勉強法についてシェアしてきましたが、まとめると、
- 中国語は、リスニングに特化して勉強する
- インプット期は、小まめに休憩を取りながら勉強する
- アウトプット期は、問題を回転して、知識定着&試験慣れをする
- 教材は、基本的にHSK3級公式テキスト1冊で十分
ということになります。
私も中国語は、まだまだ成長途中で、今はHSK4級を勉強しているところです。
今後も中国語を勉強しつつ、気づいたことがあれば、経験ベースでまたシェアしたいと思います。
それでは、本日は以上になります。
お読みいただきありがとうございました。
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ゆう
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